しらカバくん物語は運営者のリレー小説! 今日は第二話!書いたのは第39回早大OC大会の草刈責任者、三好君です!
しらカバくんは天涯孤独であった。白樺の大樹から生を受けた彼にはおよそ親と呼べる存在もおらず、またその白樺も生後間もなく自ら平らげてしまっている。まさに生まれながらの食いしん坊であるが、そのことを彼が知る術は無い。しかし彼が自らの境遇を嘆いたことも無い。物心つく前から一人で生きてきた彼にとって孤独は当たり前のものであり、その上で今の白樺で満たされた生活をこよなく愛しているのである。 そうして孤高ながらも平和に暮らしてた彼であるから、白樺の皮で作った自分の寝床で倒れている人間を目の当たりにした時はたいそう動揺したのである。その日はいつものように白樺を求めて山中を歩き回り、新たなお気に入りの場所を見つけて上機嫌で吉田山にある棲み処に戻ってきたところであった。人間が大の苦手な彼はそれを見るや否や逃げ出そうとしたが、その人間が苦しそうにうわごとを言っているのに気づいて足を止めた。恐る恐る近づくと人間も彼に気付いたようで、目を丸くして驚いている。しかし人間はすぐに身振りを交えながら何かを訴え始めた。しらカバくんは言葉を理解することは叶わないが、知能は並の動物以上にある。それが水を求める仕草だと気付くと、人間が差し出した器を受け取りそこから一番近い湧水点まで駆け出した。彼の頭にはもう人間への恐怖はなく、困っている人を助けたいという初めて持つ感情だけがあった。

のそのそお散歩中のしらカバくん

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